13:30

朝から降っていた雨は激しさを増している。一人で中華料理屋に行き、天津丼を注文する。
店内はお昼の時間を回っているにも関わらず混雑しており、相席させられたテーブルの向かい側で作業服を着たおっさんがどんぶりに視線を注ぎながら黙々とラーメンをすするのとTVのワイドショーを交互に見やりながらこんな気持ちを言葉に直してみようと試みるが上手くいかない。
程なくしてラーメンのおっさんは席を立ち、定価940円の天津丼が目の前に運ばれる。ケチャップベースの餡がかかった天津丼はおいしそうに湯気を上げており、何も考えずに蓮華で掬った塊を口に運ぶ。私の視線はやはり皿の上に注がれており、この街では誰もがそうするものだと思い直した。
雨脚は若干強まったようだ。